ネットで肖像権をわかりやすく解説!これって訴えられるの?

インターネットの世界は無法地帯のように見えますが、きちんと法律が適応される場所です。

使う側の知識がないことが多く、裁判など多くはありませんが最近では法的処置をとる人や組織も多くなりました。

ネットで一戦を越える人はもともといましたが、それを訴えるケースが増えつつあります。

 

インターネットの世界で法律違反になることはさまざまな種類があります。

その犯罪の中でも肖像権の侵害についてここで解説していきます。

 

  • 肖像権はなにがOK?NG?
  • どのケースが訴えられる?

そんな疑問にお答えしていきます。

 

肖像権とは?

軽く肖像権について解説します。

肖像権とは、本人の容貌や顔形を撮影されたり、第三者に対して公開されたりしないという権利です。

 

つまり、肖像権の侵害を一言でいうと、自分が撮影された写真を公開されるという権利の侵害行為のことです。

 

かつては著名人にだけ肖像権があると思われていた時期がありました。

有名人や芸能人は本人が財産とされている職業でもあるので。

 

しかし、平成の中期にその傾きが変わります。

一般人が公開された写真をアップロードされたことに裁判を起こし、最高裁で勝利を勝ち取るということがあったのです。

それからというものの、肖像権の侵害とは一般人にも適応されることが明らかになりました。

 

肖像権を侵害するとどんな罰がある?

肖像権の侵害とはどれほどの罪になるのか?

法律違反には大きく2つのケースがあります。

それは民事刑事です。

 

民事というのは当事者間で賠償やペナルティを希求するもの。

刑事は警察が介入して、罰則を与えるものです。

 

肖像権の侵害はいわゆる民事上の責任ということになります。

つまり、民事上違法にはなりますが、被害者が訴えでなければ放置されるということです。

また、罰則というのは被害者から加害者への賠償責任というものしかありません。

賠償の請求には、個人や団体が民事裁判所や弁護士を通して行います。

 

肖像権の侵害による【賠償金額】の相場は?

肖像権の侵害で訴えて裁判所に請求書が認められた場合、どれほどの金額が相場になるのか?

実は肖像権の侵害はケースバイケースです。

つまり、事案によって金額が大きく変わるということです。

肖像権侵害のケース別請求額
  1. 写真の無断使用→10万円~50万円
  2. 1+信用既存など→50万円~200万円
  3. 1+特殊な事例(リベンジポルノ)など→500万円

民事の賠償請求というのは、その時の状況次第で上下します。

肖像権の侵害は中でも事例により金額の幅が大きいものです。

 

賠償金額は無断使用だけではあまり大きくなりません。

無断使用に加えて、被害が受けた被害の度合いによって金額が増していくイメージです。

 

刑事責任にまでつながるようなもの(ストーカー被害など)の場合はより高額の請求がされることがあります。

賠償金額が高額になるケースはまとめると以下のようなものがあります。

賠償請求が高額になる例
  • 悪質かつ特殊な事情
  • 請求相手が個人ではなく団体
  • 侵害による出た被害額が大きい

具体的な金額に関しては裁判の蓋を開けてみるまで基本的にはわかりません。

上記の金額はあくまでも相場であり、必ずしも実現する金額ではないことをご注意ください。

 

ネットで肖像権侵害に該当するケースは?

肖像権の侵害はネットでは頻繁にあります。

しかし、見ている人も侵害されている人にも境界線はわかりません。

 

どんなケースと状態で写真が使われると肖像権を侵害したことになるのか?

OKとNGの境界を具体的に説明していきます。

肖像権の侵害に「なる」例

①誰だか判別できるような鮮明なもの

ハッキリと姿が写っているものは確実に肖像権の侵害です。

本人と見比べて、第三者が判別できてしまい、公開を本人がよしとしなければ肖像権の侵害には該当します。

 

特に正面からの姿の場合は確実に判別できます。

ある程度の近さで鮮明に顔がわかるものは、本人が嫌がればNGになります。

 

②名前だけ別人にする

まれにあるのが顔写真を使って名前だけを別人にするというものです。

あまり、見たことがない人も多いかもしれませんが気がつかないだけかもしれません。

 

例えば、サービスや商品の紹介やセールスをするWebページで頻出するものが挙げられます。

お客さまの声や利用者の口コミと名をうって写真を使います。

その際、顔写真はSNSから引っ張ってきて、名前だけを変えて口コミとして紹介するのです。

 

名前だけを変えても肖像権は顔写真などを本人の無断で使うことに問題があるので、肖像権の侵害になります。

また、本人の意図しないところで顔写真を使っているので、名誉毀損にも該当する可能性があります。

名前を出すとプライバシーの侵害なども関わるので、配慮して名前を変えているのだと思います。

しかし、顔写真を無断で使用している時点で立派な肖像権の侵害になります。

 

私的な空間での撮影とアップロード

公共性が高いか低いかも肖像権の境界線になります。

例えば、部屋の中やその他のプライベート空間での写真は肖像権の違反に該当しやすいです。

私的な場ではむしろ、撮影すら民事上の責任を問うことができます。

 

ましてや、自分に権利がある自宅や土地などでの撮影はそれ事態が許されることではありません。

公共性があるものとないものでも区別をすることができます。

 

肖像権の侵害には「ならない」例

姿があいまい

よく写っていなくて、第三者から見て誰だか判別できないもの。

これは肖像権の侵害にはなりません。

 

視認できる状態で本人の顔が公開されることが問題です。

ボヤけたり、見切れているくらいの写真は特に問題ないと解釈されることが多いです。

 

本人が許可している場合

本人が許可を出していれば何も問題はありません。

偶然写りこんだり、意図しないものが問題であり、写真を公開・撮影されることを把握していればOKです。

 

難しいのが撮られても公開をされたくない場合です。写真自体は取られていいけど、SNSに載せてほしくないという人もいますよね?

公開をすると肖像権の侵害になることはなりますが、本人がカメラ目線でピースをしていたら撮られることは視認していたことになります。

ケースバイケースですが、肖像権の侵害にならないケースもあります。

 

後ろ姿・横顔

後ろ姿や横顔ならハッキリと写っていても肖像権の侵害にはならない可能性が高いです。

特に後ろ姿は判別がほとんどできないので、侵害行為にはならないでしょう。

 

場所の公共性も関係します。

例えば、人混みや雑踏で写りこんでしまったような写真は他意があるとは考えにくいと思います。

 

したがって、人が集まるような場所で横顔や後ろ姿が写されるくらいは民事上の責任は問えません。

もしも、該当する写真がネットにアップロードされていたら、専門家の弁護士に意見をきく必要があります。

 

ネットで肖像権の侵害で裁判になるまで

ここで肖像権の侵害で訴訟になるまでの流れを説明していきます。

いきなりではなく、訴訟は段階をおって進むので即時ということはありません。

肖像権侵害の裁判までのフロー
  1. 被害者が発見する
  2. 弁護士に相談
  3. 差し止め要求&開示請求
  4. 裁判所を通して訴訟

①肖像権の侵害を感知

まずは問題の写真を発見しないことには始まりません。

厄介なのは本人が気がつかなければ、問題として取り上げられないことです。

民事は本人が気がつかなければ訴訟にならないので、ここは注意しておかなければいけません。

 

②弁護士への相談

民事では弁護士にまずは相談します。

いきなり裁判所にいっても仕方がありません。

なんの情報もないので弁護士と今後の流れを相談することになります。

  • 肖像権の侵害になるか?
  • どれほどの賠償になるか?
  • 費用はどれほど発生するのか?

などを話し合い手続きを進めます。

 

実際に弁護士の手を借りなければ法的処置を取ることはできません。

なので、いずれにせよ頼ることになります。

 

ただ、費用が高いので誰にでもできるわけではありません。

弁護費用は下記を参考にしていただきたいと思います。

ネットの風評被害で削除にかかる料金は?【値段・相場の一覧表】

 

③差し止め&開示請求

弁護士と契約したらいよいよ問題の排除に取りかかれます。

ネットに連絡先がある場合は掲載者に差し止めを要求します。

これは被害者でもできますが、弁護士からの方がより相手は深刻さを自覚します。

 

さらに賠償を要求するのであれば、発信者情報が必要です。

顔も名前も住所も知らない相手に内容証明を送ることはできません。

 

ネットを通じて相手の情報を取得する期間に入ります。

開示請求は裁判所で許可を貰い、弁護士が行うことになります。

爆サイの書き込みを訴えることはできる?『掲示板の悪評解決策』

 

④いざ、裁判へ

弁護士によって相手の情報がわかれば、内容証明で賠償を請求する旨を相手に伝えます。

そこで示談に持ち込めば、示談金のやり取りで終わります。

 

しかし、相手が要求を拒否した場合は裁判に突入します。

あとは弁護士による証明と家庭裁判所の判決を待つだけです。

これが肖像権の侵害から裁判までの主な流れです。

 

ネットの開示請求は今後、緩くなる?

最近ではネットにちなんだ事件も多く起きています。

誹謗中傷による女子プロレスラーの自殺などもあり、国としてはネットへの取り締まりを本格的に進める方針を提示しています。

 

発信者情報の開示はハードルが高いことがネックでしたが、今後はより簡略化できるかもしれません。

開示請求に必要な期間や費用が変われば、被害者がより手続きをしやすくなります。

結果として、肖像権の侵害を含めたネット犯罪の件数が減ることになるかもしれません。

肖像権への守りがどんどん強化されることが期待できます。