リツイートで名誉毀損になった!?実際に合ったネットの裁判例

ネットから名誉毀損になるという事例を聞いたことがあるかもしれません。

最近は有名人でもTwitterなどのコメントでも積極的に法的処置をすることが増えています。

誹謗中傷による自殺なども相次いで起こったというショッキングな事例から危機感を感じているのかもしれません。

 

しかし、誹謗中傷や名誉毀損とは境界線がわかりにくいです。

どこからどこまでが意見で誹謗中傷かは判断しづらいと思います。

ただ、最近ではTwitterのリツイートという機能。

実は「これも名誉毀損になるのでは?」という話もあります。

 

今回は「リツイート」の法的解釈についてです。

誹謗中傷などを拡散することも名誉毀損になってしまうのか?

解説していきたいと思います。

 

Twitterのリツイート機能とは?

Twitterにおけるリツイートについて簡単に説明します。

もはや言わずと知れた機能ですが、年のためにおさらいをしていきます。

リツイートというのは、他のアカウントの投稿を自分のコメント欄に載せることです。

つまり、他のアカウントの呟きを引用するということですね。

 

リツイートはいわゆる拡散に繋がるものです。

ある投稿がリツイートされると、リツイートしたアカウントのユーザーが内容を見ます。

さらにそれがリツイートされ、とリツイートが繰り返し行われるとどんどん投稿を見るユーザが増えます。

これが「拡散」のメカニズムです。

 

ビジネスの世界では情報が拡散するのでキャンペーンが促進できたりとあり難がる人もいます。

しかし、一方で誹謗中傷なども拡散されてしまうことからハイリスクハイリターンになることもあるリツイートです。

便利な反面、リスクも相応に伴います。

ちなみにTwitterの開発者のコメントではリツイート機能に公開しているという発言は有名です。

昨今の誹謗中傷の拡散を憂いた一言です。

 

「リツイートで損害賠償!?」有名人の事例

リツイートはリスクがあるといいましたが、リターンよりもリスクが多くなったようにも感じます。

それを象徴する事例があります。

元大阪府知事でタレントとしても活躍している橋本徹氏が関係します。

府知事時代に橋本氏はあるジャーナリストがリツイートしたツイートに対して名誉毀損で損害賠償を要求しました。

 

岩下安身氏というジャーナリストですが、元々橋本氏の政策には批判的なコメントをしていたこともあるようです。

しかし、本人ではなく、第三者が橋本氏が府の幹部職員を自殺に追いやったというツイートをしたところ、コメント無しでリツイートしました。

これにより社会的な信用を傷つけられたとして橋本氏は岩下氏に対して訴えを起こします。

 

そこから民事裁判に突入します。

橋本氏は110万円の賠償を要求しました。

裁判の結果は橋本氏の勝訴、岩下氏におよそ30万円の損害賠償を支払うように大阪府立体育会館裁判所が決定しました。

 

金額としてはそこまでの額ではありません。

しかし、ネットの誹謗中傷に関わる上で重大な事例となってきます。

なぜならば、リツイートが名誉毀損として認められた事例ができたということです。

つまり、誹謗中傷をした本人でなくても悪意のある人が拡散させた場合、拡散した側への罪が認められたということです。

 

裁判というのは過去の判例が判決に大きく響きます。

よって今後もリツイートによる名誉毀損はいくらでも起こりうる可能性は高まったということになります。

ネットの誹謗中傷問題の分岐点になる事例でした。

 

リツイートで名誉毀損になるポイントは?

上記の事例を見ると、リツイートがなんでもかんでも名誉毀損になるわけではありません。

しかし、事例からある程度のポイントを読み取ることができます。

いったいどんなリツイートをしたら名誉毀損になるのか?

それは以下の通りです。

 

①意見ではなく誹謗中傷

まずは大本のコメントが誹謗中傷に当たることが前提条件です。

それをリツイートしてしまったから問題なんですね。

 

政治的なものも含めて、批判でも意見と中傷は違います。

客観的、主観的な事実から反論をしたりするのは意見です。

しかし、人格や社会的な信用を貶める行為は誹謗中傷に当たります。

 

これが単なる意見であればリツイートしても問題ありません。

ただ、この件では言われのないことを事実のように語り、それをリツイートしたことが問題です。

もちろん、大本の投稿者も対象にはなりますが、匿名の投稿者だと追跡をしなければいけない手間があり、リツイートした名のしれた人に損害賠償を請求したのでしょう。

意見と誹謗中傷の境目は難しいかもしれませんが、社会的にもしくは人格を傷つけるようなものかどうかがボーダーラインになります。

 

②「批判的なツイート」をそのままリツイート

リツイートとはあくまでも引用です。

しかし、批判的なツイートをそのまま引用した場合は自分の言葉として言っていると見なされたのかもしれません。

 

例えば、「名誉毀損に該当するツイートをリツイートしてもこの意見には反対です。」
「これは間違っていると思います。」
誹謗中傷に対する批判をコメントで添えれば名誉毀損にはなりません

 

なぜなら名誉毀損になるコメントと反対の意見をいうわけですから。

今回は誹謗中傷をそのままリツイートしたこともあり、損害賠償の対象になりました。

 

当然ですが、コメントを添えたとしても更なる誹謗中傷を重ねれば同じ結果になります。

そのまま引用したことが問題というよりも第三者を傷つけるコメントを引用したことが問題になるので。

 

③削除しても訴えることはできる

ちなみにですが、大本の誹謗中傷を削除したとしても裁判はできます。

もちろん、写真などの証拠があればの話ですが。

 

橋本氏と岩下氏の一件もすぐに削除はしていたそうですが、結果的に裁判で損害賠償を支払う判決まで出ています

ネットに残っているかは問題ではありません。

ツイートで少なからず第三者を批判して、それをさらに第三者が見ていたことが問題だからです。

 

個人だけの空間ならば問題ありませんが、公の場で個人を社会的に貶める批判が名誉棄損になります。

周りに中傷の内容を聞かせてしまうことが問題ですね。

現在はネットの掲示板やSNSも公の場と判断されるため、公開された誹謗中傷はもれなく名誉棄損に該当すると思われます。

 

④炎上・経緯は関係ない

炎上や動機・経緯というのを素人は見てしまいますが、名誉棄損においては関係ありません。

 

炎上というのは周りの反応であって、当事者関の問題ではありません。

経緯や動機も問わないことが多いです。

事実として名誉棄損に該当すれば、裁判では支払い命令を下されるでしょう。

 

ネットのユーザー間では、炎上したから問題なのでは?と憶測を呼んでいますが、そもそも炎上したかどうか、きちんとした動機があるかどうか、全く裁判の結果に影響しません。

リツイートの内容が問題になるかで裁判の結果が決まります。

 

現代のネットの発言による責任とは?

リツイートが有罪判決になったことで、ネットの発言やポジショニングも慎重にならざるを得なくなっています。

誹謗中傷による自殺した女子プロレスラーの方がいましたが、事件をきっかけに国もネットの言葉については強行姿勢をとることまで囁かれています。

 

被害者にとっては厳しくなることはありがたいですが、今後、自分が加害者になってしまうことも十分にあり得てしまいます。

くれぐれもネットの声やツイート・リツイートは慎重に行ってください。